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私は香港に住むと決めたときに、「郷に入れば郷に従え」という言葉を守ろうと思った。
香港の生活空間にとことんなじもうと思った。 もともと日本にいたときは、ツアーコンダクターをしていた。 私のいたツアーコンダクターの世界は、やさしさと思いやりの固まりだった。 その頃は、海外も国内も団体旅行でツアーコンダクター付きというのが主流で、私の所属していた会社には、たくさんのツアーコンダクターがいた。 そして、新しい土地に行く時も、誰かしら行ったことのある人がいて、その人に教えてもらったり、わたしも誰かに教えてあげたりしていた。観光地のお勉強はガイドブックなどで出来るのであるが、トイレの位置や、場所ごとのガイドさんについてなど、行ったことがないと分からないことがたくさんあって、それは仲間のおかげで助けられていた。 シンドイことも、もちろん、たくさんあったが、それを補って余りあるのが、仲間の友情であった。 私が香港に行く時も、「いつでも帰っておいで」と言われていた。 香港の中国人社会に日本人の私がなじむのは、並大抵ではなかった。 生活習慣はもとより、ちょっとしたことの考え方も、かなりちがった。 仕事も、男女平等ではあるが、ある種のヒエラルキーが確立されていて、それを理解するにも時間がかかった。 また、日本でお嫁に行っても大変なのに、言葉の違う世界のそれも、家族の絆がとっても固いところに入っていくのもシンドかった。 お勉強に関しても、してもしてもまだまだ未熟という状態が続いた。 毎日の生活が、ぱんぱんだった。 そんなときに、「いつでも帰っておいで」と言われた言葉は、甘い蜜で、スグにでも帰りたい!と思うことの連続だった。 ある日、いつでも帰れるという気持ちが、いつも心に潜んでいるから、シンドイ!キツイ!と思ってしまうのだと言うことに気づいた。 あの優しい仲間たちがいるところに、帰りたい!という気持ちをなくさないと私は香港になじめないのだと思った。 そう思えるまで5年くらいかかったと思う。 そして私は、仲間たちと連絡を取るのをやめた。 そして私は結婚もした。 仕事とお勉強と子育てと家庭でいっぱいいっぱいの日が続いていた。 そして、ショップチャンネルに出演させていただくようになって2年が過ぎるころ(つまり今年になってから)、ツアーコンダクター時代の先輩から、私のウエブサイトの連絡があり、その先輩と食事をしたのをきっかけに、せき止められていた川が流れるように、ツアーコンダクター時代の仲間と連絡を取るようになった。 ツアーコンダクター時代の仲間たちは、4年に一回集まっているというのを知った。 一番仲良くしていた友人とも20年は会っていないことに気づいたのだが、電話の向こうの友人たちの声と温かさは、昔とおんなじだった。 思わず涙があふれた。 今度大阪に戻る時には、みんなで会う約束をした。
by yo_sachiko
| 2008-11-11 15:44
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